めぐりめぐる。
この3日間地元に帰っていた。
呆れるほどの緑に安心している自分がいた。
ゆうて最後に帰ったのは盆なので2ヶ月しか経ってないけどいつ帰っても安心する。
京都より少し肌寒く、澄んだ空気。
ここで育ったのだということを実感する。
私の地元はかなりの田舎だ。
少し歩けば知り合いに会い、顔を見ればどこの誰かがわかる。
野菜が実れば近所へ配り、お返しに魚が返ってくる。
家から最寄りのコンビニまでは1㎞離れている。
日が暮れると街灯が全然ないためあたりは真っ暗になる。
子どもの数が減少した結果小学校は廃校になり、母校は地区の郷土資料館になった。
地区に4頭いた獅子舞は若者の減少により今年2頭に減った。
2時間に1本通るバスだけがおじいちゃんおばあちゃんの交通手段。
少子高齢化の代表のような村。
問題をあげればきりがないけど、その分人の繋がりは強いこの場所で私は育った。
あなたを見ていると、愛されて育ってきたことが分かる。
こう言われたことがある。
外見や性格を褒められた訳ではないのに無性に嬉しかった。
自分で言うのもなんだけれど、のびのびと育ってきた。
学生時代を思い返しても、学校からは友達と合唱曲を歌いながら帰って、近所の人におかえりと言われ、家に帰るとおばあちゃんが温かいご飯を作って待ってくれていた。
友だちに恵まれ、地域の人と繋がり、家族に愛された。
いろんなつながりの中でぬくぬくと育ってきた。
ただただ、運が良かった。
無条件に認めてもらい、愛してもらったこと。
この経験がどれだけ大切なことか、教育に関わる中で少しずつわかってきた。
私は恵まれすぎているほどに恵まれていたことを知った。
きっと全部巡り巡っている。
周りから否定されると自分はダメな人間だと思い込み、自分でも自分を否定し、そんな自分と繋がる周りを否定し、社会全体を否定するようになる。
そうして否定的な人が出来上がる。
肯定されて育つと自分を肯定できるようになり、自信がつき、そんな自分と繋がる周りの人が好きになり、好きな人たちが生きる社会を肯定するようになる。
そんなふうに思う。
だからまず自分が否定しない。
何に対しても否定から入らない。
自分がもらった愛をいろんな形でいろんな人に送ろうと思う。
「恩送り」という言葉がある。
誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ることを表す。
大切な人たちが笑っている世の中がいい。
そう思う。
現実を見ろと言われるかもしれないけど現実を見た上でそう思う。
みんながハッピーな世の中ってどうやったらつくれるんだろうなぁ。
たい焼きは今も昔も頭から食べる派です。